スポーツと栄養

スポーツ栄養事始め  ①「元気づくり」の栄養学

 もっと筋肉を付けたい、あと3㌔減量したいのに、持久力アップには何を食べればいいの?……。スポーツとは切っても切り離せない日々の食事。部活動をやっている子どものために普段の食事やお弁当、サプリメントの取り方で悩んでいる親御さんも多いことでしょう。食に関するちょっとした知識を身に付けることで、毎日のスポーツライフをもっと充実させてみませんか?このコラムでは、岡山県内の公認スポーツ栄養士の方々のご協力で、スポーツと食に関するさまざまな情報をわかりやすく解説していきます。サイト内に掲載しているレシピと合わせてご活用ください。

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 皆さん、「スポーツ栄養」というとどのようなイメージを持たれますか?

 まず思いつくのが、プロテイン等のサプリメントだという人が少なくないのではないでしょうか。また、階級別競技での増量や減量を思いつく人もいるかと思います。

 オリンピックや世界大会などで活躍している選手たちの食事がSNSやネット等に出回るようになったり、チラシやCMでドリンクやプロテイン等の宣伝をしたりしているのを見かけるようになりました。スポーツ強豪校においても、スポーツ栄養を取り入れている学校も増えてきており、以前に比べて、スポーツ栄養が身近に感じられるようになったと感じています。

 しかし、かえって、あふれかえる情報に振り回されたり、必要のないものを購入したり、偏った食事ばかりをとっている選手や保護者を見かけることも増えてきているのも事実です。

 いったい、スポーツ栄養とは、どういうことなのか、改めて考えてみましょう。

 活動量(運動やスポーツ・作業等)が増えると、エネルギーや栄養素の必要量が多くなるので食べる量も多くしなければなりませんが、食べることができる量には限界があったり、運動中は効率よく消化吸収ができなかったりします。そこで、そのギャップを埋めてパフォーマンスを最大限にあげるためには「何を、いつ、どれだけ、どのように食べるか」が重要となり、それを考えていくことが「スポーツ栄養」です。

 そのため、実はアスリートやスポーツ愛好家だけではなく、職業として身体を使う方、働き盛りのサラリーマン、健康長寿を目指す高齢の方、小さな子どもまでの全ての生活者がスポーツ栄養の対象者となります。「スポーツをしていないからスポーツ栄養なんて関係ないわ」と思っている方も多いかもしれませんが、そうではないのです。

 少しでも体を動かすことがある人は、自分の力を最大限に出すための食事を、それぞれのライフシーンに応じて考えるための基礎が「スポーツ栄養」です。言い換えれば「より良く、思い通りに生きるための活力を生み出す『元気づくり』のための栄養学」とも言えるでしょう。

 今後、こちらのコラムでスポーツ栄養の基本や活用を少しずつ書いていきたいと思いますので、楽しみにしてください。